一つに絞って深く話す

人財育成

「講話を聞いて、どんな内容だったかを
全部まとめて感想を述べる。」

一見すると、とても真面目で丁寧な感想に
思えます。しかし、実際に話してみると、
なぜか聞いている人には「結局、何が
言いたかったのだろう
」と伝わり
にくいことがあります。

以前の私は、講話を聞いたら「せっかく
聞いたのだから、できるだけ多くのことを
伝えなければ
」と考えていました。

講師が話した内容を順番に思い出し、
「最初にこういう話があって、次にこういう
話があって……」
と話しているうちに、気がつけば内容の
説明が中心になってしまいます
。

しかし、聞いている側からすれば、
講話をもう一度聞いているようなものです。

そこで最近、考え方を変えました。
講話の中から、自分の心に残った一つだけを選ぶ。

そして、
「私はその言葉を聞いて、こう感じました」
「なぜなら、こんな経験があったからです」
「だから、これからこうしてみようと思います」
ここまで話す。

例えば、講師が「人を信じて任せることが
大切」という話をしたとします。

講話全体を説明しようとすれば、信頼、
人材育成、リーダーシップ、失敗の許容……と、
いくらでも話が広がります。

しかし、自分が特に「人に任せる」という
言葉に引っかかったのなら、そこに絞ればいい。

「私はこれまで、自分でやったほうが早い
と思い、仕事を抱え込むことがありました。
でも、今日の『任せることも人を育てること』
という言葉を聞いて、自分が相手の成長する
機会を奪っていたのかもしれないと気づき
ました。これからは、多少時間がかかっても、
まず任せてみようと思います。」

これなら、講師の話を要約しているのではなく、
自分が何を受け取り、どう考え、これから
どう行動するのかが伝わります
。
そして何より、聞く側の記憶に残ります。

これは講話に限ったことではありません。
本を読んだ感想でも、映画を見た感想でも、
人から教えてもらったことでも同じです。

全部を伝えようとすると、かえって焦点が
ぼやけます。

写真も同じです。
風景の中に建物も、山も、川も、人も、
花も全部入れようとすると、何を見て
ほしい写真なのか分からなくなる
ことが
あります。

一方で、「今日はこの一輪の花を撮りたい」
と決めて構図を絞れば、見る人にも
その意図が伝わります。

話すことも同じなのだと思います。
「全部伝える」より、「一つを深く伝える」。

一つに絞るからこそ、自分の経験や考えを
加えることができ、そこから「これから
自分はどうするのか」まで話がつながります。

講話の内容を網羅することが目的なのでは
ありません。

講話を聞いて、自分の中に何が残ったのか。
そして、その気づきを明日から
どう生かすのか
。

そこまで言葉にできて初めて、「講話を聞いた」
という経験が、自分自身の学びになるのでは
ないでしょうか。

最近、私は「たくさん話すこと」よりも、
「一つに絞って深く話すこと」の大切さを
実感しています。

講話を聞いたら、全部を持ち帰ろうとしない。
今日の自分に必要な一つを持ち帰る。
その一つを、自分の言葉で語り、行動に変える。

それが、学びを自分のものにする一番の近道
なのかもしれません!!

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