「信頼」と「信用」
どちらも似たような言葉なので、普段あまり
意識せず使っている人も多いのでは
ないだろうか?
私自身も長い間、ほとんど同じ意味だと
思っていた。
しかし、ある時その違いを知り、なるほどと
思わされた。
簡単に言えば、
信頼とは「この人はちゃんとやる人だ」
信用とは「この人にお金を払う価値がある」
という違いである。
もちろん厳密には様々な解釈があるが、
ビジネスの現場で考えると非常に
分かりやすい。
例えば、地域で簡単料理の教室を開いている
人がいるとする。
毎回時間通りに来る。
質問にも丁寧に答える。
約束したことは必ず守る。
こうした積み重ねによって参加者は、
「この人なら安心だ」
と思うようになる。
これが信頼である。
しかし、それだけではまだお金を払って
サービスを受けようとは思わない
かもしれない。
そこから更に、
「この人のおかげで料理がスムーズに
作れてしかも作ることが楽しくなった」
「時間がなくて困った時に本当に助かった」
「この人の料理の知識や経験には価値がある」
と感じた時に初めて、
「対価を払ってでもお願いしたい」
という気持ちが生まれる。
これが信用である。
つまり信頼は人柄や姿勢に向けられ、
信用は価値や成果に向けられるとも
言えるだろう。
ビジネスを始めたばかりの人が陥りやすい
のは、この順番を飛ばしてしまうことだ。
まだ相手との関係ができていない段階で、
「私の商品は素晴らしいです」
「ぜひ購入してください」
と売り込んでも、なかなか成果には
つながらない。
なぜなら、人は知らない人にお金を払わない
からである。
どれほど優れた商品やサービスであっても、
その人が信頼できるかどうか分からなければ、
財布の紐は緩まない。
逆に詐欺師は、この順番を飛び越えようと
する。
短期間で信用させようとし、
「絶対に儲かります」
「今だけの特別な話です」
と相手の判断を急がせる。
本来、信用とは時間をかけて育つものだ。
信頼という土台がなければ、本物の信用は
生まれない。
これは植物にも似ている。
花を咲かせたいからといって、種をまいた
翌日に花は咲かない。
まず根を張る。
水を与える。
日光を浴びる。
その積み重ねがあって初めて花が咲く。
信頼が根であるなら、信用は花と言える
かもしれない。
根がしっかりしていなければ、立派な花は
咲かないのである。
だからこそ、ビジネスにおいて大切なのは
焦らないことだ。
まずは約束を守る。
相手の話をしっかり聞く。
小さな期待に応える。
困った時に力になる。
そうした地味な積み重ねが信頼を生み、
その信頼がやがて信用へと変わっていく。
派手な近道はない。
しかし、だからこそ一度得た信用は強い。
価格競争にも振り回されにくくなり、
「あなたにお願いしたい」と言って
もらえるようになる。
信頼はスタート地点であり、
信用はその先にある成果である。
そして信用への道は、今日の小さな信頼の
積み重ねから始まるのだと思う!!

