少子高齢化が進む日本では、「健康寿命」が
よく話題になります。しかし、もう一つ大切
なのが「社会とのつながりをどう維持するか」
ではないでしょうか。
昨日、シニアの方々との懇談会に参加し、
そのことを改めて考えさせられました。
年齢を重ねると、どうしても人とのつながりは
減っていきます。仕事を退職すれば毎日顔を
合わせていた仲間と会う機会は少なくなり、
子どもたちは独立し、近所付き合いも昔ほど
濃くはありません。
もちろん、趣味のサークルや地域の
コミュニティに参加し、新しい仲間づくりを
楽しんでいる方もいます。同じ趣味を持つ人
と笑い合い、出掛ける機会があることは、
心身の健康にもつながります。
一方で、誰もが積極的に外へ出られる訳
ではありません。
手芸や絵画、読書、楽器演奏など、自宅で
楽しめる趣味を持つ方も多くいます。それ
自体は素晴らしいことですが、外出する
機会が少なくなると、人と話す時間も減り、
気づかないうちに社会との接点が少なく
なってしまいます。
そして懇談会で最も印象に残ったのが、
「免許返納」という言葉でした。
運転免許を返納することは、安全を考えれば
大切な選択です。しかし、特に地方では車が
生活の足です。
スーパーへ行くにも、病院へ行くにも、
趣味の集まりに参加するにも車が必要な
地域は少なくありません。
「仲間はいる。でも、そこへ行けない。」
この現実は、都市部に住んでいるだけでは
なかなか気づけない問題です。
私は、この言葉に大きな課題を感じました。
ニーズは確かにあります。同じ趣味を持つ人と
交流したい、誰かと話したい、地域で支え
合いたい。そう願う人はたくさんいます。
それなのに、移動手段がないという理由だけで、
その願いがかなえられない。
これは本人の努力だけでは解決できない、
地域全体で考えるべき課題なのかもしれません。
そして、決して他人事ではありません。
今は車を運転できても、10年後、20年後の
自分も同じ立場になる可能性は十分あります。
だからこそ、「その時になって考える」ので
は遅いのでしょう。
今のうちから歩いて行ける範囲で人と
つながれる場所をつくる。顔を合わせれば
「元気?」と声を掛け合える関係を育てる。
世代を超えて交流できる小さな
コミュニティを地域に増やしていく。
そんな「近くにある居場所」が、これから
ますます大切になるのではないでしょうか。
人生100年時代と言われますが、大切なのは
長く生きることだけではありません。
人とのつながりを持ち続けながら生きること。
そのためには、コミュニティを「利用する場所」
と考えるのではなく、「みんなで育てる場所」
と考えることが必要なのかもしれません。
将来の自分のために、そして地域で暮らす
誰かのために。
今から、歩いて行ける距離に「つながりの種」
を蒔いておくことが、これからの時代の大きな
財産になるように思います!!
