スポットライトが当たる人は華やかに見える。
舞台に立つ歌手、講演をする講師、試合で
活躍する選手。観客の視線は自然とその人
たちに集まり、称賛の言葉も送られる。
しかし、その輝きは決して一人だけの力で
生まれているわけではない。
舞台で歌手が最高のパフォーマンスを披露
できるのは、音響や照明、舞台設営、進行
管理など、多くの裏方が準備を整えている
からである。
もしマイクが入らなかったらどうだろう。
照明が当たらなかったらどうだろう。
進行が混乱していたらどうだろう。
どれだけ優れた出演者でも、本来の力を
発揮することは難しくなる。
つまり、表舞台で輝く人は花であり、
裏方はその花を支える土壌なのである。
綺麗なバラを見ると、多くの人は鮮やかな
花びらに目を奪われる。しかし、バラが
咲くためには目に見えない根が必要だ。
根が土から水や栄養を吸収し、幹を支え、
花へと届けている。
どれほど美しい花も、根が弱れば咲き
続けることはできない。
組織も同じだ。
営業担当が大きな契約を獲得した時、その
成果だけに注目されがちである。
しかし、その裏には事務スタッフの正確な
処理があり、経理担当の管理があり、商品や
サービスを支える現場の努力がある。
一人の成果に見えても、実際は多くの人の
支えによって成り立っていることが
ほとんどだ。
ところが組織が成長し始めると、時にこの
当たり前の事実を忘れてしまうことがある。
表に出る人だけが評価され、裏方の努力が
見えなくなる。
感謝される機会も減り、「いて当たり前」
「やって当たり前」と思われるようになる。
そうなると少しずつ組織の土台が弱っていく。
なぜなら、人は自分の存在や努力を認めて
もらえることで力を発揮できるからだ。
裏方が軽視される組織は、一見すると順調に
見えても、問題が起きた時に脆さが表面化する。
逆に、裏で支えてくれる人への感謝が根付い
ている組織は強い。
トラブルが発生しても、
「今こそみんなで支えよう」
「困った時はお互い様だ」
という空気が生まれる。
普段から信頼関係が築かれているため、多少の
困難では簡単に崩れないのである。
本当に優れたリーダーや成功している人ほど、
そのことをよく理解している。
表彰の場で仲間への感謝を口にする人がいる。
成功を自分だけの手柄にしない人がいる。
それは謙虚さのためだけではない。
自分が支えられていることを知っているからだ。
私たちはつい、目立つ成果や華やかな活躍に
目を向けがちである。
しかし、組織やチームを長く発展させる力は、
実は見えないところにある。
花が美しく咲くために根が必要なように、
人が輝くためには支えてくれる人の存在が
欠かせない。
だからこそ、成果を見た時にはその背後
にも目を向けたい。
その人を支えてくれた誰かに思いを馳せ、
感謝できる組織こそが、長く成長し
続けるのだと思う!!

