人との付き合いは、結局のところ「相手を
どこまで思って接しているか」に尽きる
のではないでしょうか。特別なテクニックや
話術よりも、もっと素朴で根本的な部分です。
たとえば、同じ職場での何気ないやり取りを
思い浮かべてみてください。
挨拶をしても、どこか事務的で視線も
合わせない。必要なことだけを短く
伝えて終わる。こうした関わり方が続くと、
相手も自然と同じ温度で返してきます。
結果として、関係はいつまで経っても
「業務上の人」のままです。
一方で、ほんの少しだけ相手に心を向けて
みると状況は変わります。
「昨日の会議、大変でしたね」
「体調はもう大丈夫ですか?」
そんな一言を添えるだけでも、相手は「自分の
ことを見てくれている」と感じます。
すると不思議なもので、今度は相手の方
から話しかけてくれるようになることが
あります。
昔から「人は鏡」という言葉がありますが、
まさにその通りです。こちらの接し方が、
そのまま相手の態度として返ってくる
ことが多い。さらに言えば、出会う出来事や
人すべてが何かを教えてくれるという意味で
「万象はわが師」とも言えるでしょう。
人付き合いの中で感じる小さな違和感や
喜びも、実は自分の姿を映してくれている
のかもしれません。
ただし、ここで大切なのは「継続」です。
人は意外と敏感です。普段はそっけない
のに、ある日だけ急に親切にされると、
「何かあるのだろうか」と身構えて
しまうこともあります。好意というものは、
たまに見せるより、静かに続けていく
ことで初めて相手に伝わるものです。
例えば、毎朝きちんと挨拶をする人が
います。特別なことは言わなくても、
いつも同じ調子で「おはようございます」
と声をかけてくれる。こうした行動は
派手ではありませんが、時間が経つ
ほど信頼を積み重ねていきます。やがて、
相手の方から自然に声をかけてくれる
ようになることもあるでしょう。
人付き合いは、一度の気遣いで完成する
ものではありません。畑を耕すように、
少しずつ手をかけ続ける仕事に近い
ものです。すぐに結果が出るわけではなく
時には思いが伝わらないこともあります。
それでも続けていくうちに、ふとした
瞬間に関係が柔らかく変わっていることが
あります。
だからこそ、人との関わりは根気のいる
営みです。しかし、その積み重ねの中で、
人は多くを学び、少しずつ自分自身の姿も
磨かれていくのだと思います!!
