叱ると怒るの違い、そして相手を育てる叱り方

人財育成

部下を指導する時や、子どもを躾る時に
一番大切なのは、「責め心のない厳しさ」です。
多くの場合、叱る場面ではこちらの感情が
先に立ちます。例えば、子どもが約束を
破った時、冷静に伝えるつもりが、つい
過去の失敗や日頃の行ないまで引き合いに
出してしまう。職場でも、部下のミスに対し、
他の社員の前で声を荒らげてしまう。
これは「叱る」ではなく「怒る」になって
しまっている状態です。

<なぜ感情的になってしまうのか?>
人は「自分の期待を裏切られた」と感じると、
強い感情が生まれます。その感情をそのまま
相手にぶつけることで一時的なスッキリ感を
得られるため、つい余計なことまで口にして
しまう。しかし、これでは本来の目的である
行動を改善させること」が遠のきます。
相手に残るのは「否定された」という感情
だけ。信頼は損なわれ、改善意欲も削がれて
しまうのです。

<厳しさと優しさの境界線は?>
では、甘やかせばいいのかというと、
もちろん違います。組織や家庭にはルールが
あり、守らなければ秩序が崩れます

「ダメなものはダメ」と、根拠をもって
伝えることは必要不可欠です。しかし、
その時のスタンスは「あなたを責めている
のではなく、その行動を正したい
」というもの。
つまり、相手を“罰する”のではなく
育てる”ための厳しさが求められます。

<実践のポイント:TPOとメリハリ>
実際の場面では、次の二つを意識するだけで
印象が大きく変わります。

①TPOをわきまえる
叱る内容が正しくても、場を誤ると
「公開処刑」になり、相手の心は閉ざ
されます。叱責はできるだけ人目のない
ところで、冷静に

②改善後はしっかり褒める
人は「できた」と感じることで前進します。
叱った後に改善が見られたら、小さなこと
でもきちんと認める
。このメリハリが信頼を
生み育てて行きます

責め心のない厳しさ」は、言葉を選ぶこと
以上に、自分の心の持ち方にかかっています。
感情をぶつける指導は短期的な服従しか
生みませんが、冷静な厳しさと的確な承認は、
長期的な信頼を生みます。指導の目的を忘れず、
相手を育てるための叱り方」を意識したい
ものです!!

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