管理図の中で重要なのは管理限界線
中心線の上下に引かれたこの管理限界線を
越えたら工程異常と判断する。すごくシンプル
でわかりやすい。
それだけにどのような考えで引くかがポイント
となる。一般的には次の2種類。
1.それぞれの管理図の係数表と平均範囲
2.標準偏差
管理線には中心線(CL)と上方管理限界線(UCL)
と下方管理限界線(LCL)がある
両管理限界線は
1項で例えばXbar管理図ならその係数表を用いて
係数A2(サンプル数により変動する)と範囲平均
を使用
2項の標準偏差であれば3倍の3σを使用する
(例題)以下のようなデータの場合の管理限界線
サンプル 平均 範囲
n1 n2 n3 Xbar R
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1日目 5.3 4.8 5.5 5.20 0.70
2日目 5.1 5.4 4.9 5.13 0.50
3日目 4.7 5.2 5.6 5.17 0.90
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総平均Xbarbar→5.17 0.70←範囲平均Rbar
標準偏差σ→0.32
Xbar管理図の係数表n=3の時のA2=1.023
1項の場合の管理限界線
UCL=Xbarbar(総平均)+A2*Rbar(範囲平均)
=5.17+1.023×0.70= 5.88
LCL=Xbarbar(総平均)-A2*Rbar(範囲平均)
=5.17-1.023×0.70= 4.45
2項の場合の管理限界線
UCL=Xbarbar(総平均)+3σ(標準偏差)
=5.17+3×0.32= 6.12
LCL=Xbarbar(総平均)-3σ(標準偏差)
=5.17-3×0.32= 4.22
ここで工程の異常をどのように判定したいかで
ある。2項の場合3σなので1000回で3回異常が
出た時に工程の異常と判断する。
それに対して1項は3σより正常範囲が狭くなる
ので工程異常を早期に発見するという点では
優れている。
よって管理図の係数表からの計算で管理限界線を
求めている意味が理解できる。