仕事をしていると、「もう少しだったのに…」
という場面に出くわすこと、ありませんか?
たとえば、ある営業担当が新しい分野
の取引先に提案を持ち込んだ時の事。
価格も納期も問題なし。こちらとしては
“ほぼ完璧”と思える内容でした。けれど、
先方の求める要件と微妙にズレていた
ことから、結果は不成立。
「惜しかったですね」と言われたものの、
本人は内心こう思っていたそうです。
「いや、相手が細かすぎるだけ」
「運がなかっただけ」と。
また、別の社員は、社内向けセミナーの
企画を担当。内容も講師も自信があったのに、
参加者はごくわずか。「日程が悪かったのか?」
「オンラインだったら人が集まった?」と、
やり場のない思いを抱えていたと言います。
でも、そこでふと気づいたのだそうです。
「もしかして、自分の“こうしたい”が
先行して、相手の“こうしてほしい”を
見落としていたのかもしれない」と。
どちらも、あと一歩、ほんの少しのズレ。
でも、その“わずかなズレ”こそが、
大きな成果を逃す原因になっていたのです。
こうした経験を「運が悪かった」と片づける
のは簡単です。
けれど、それでは何も変わらない。
それよりも、「だった」と考えることで、
次に向けた具体的な改善点が見えてきます。
・相手のニーズをもう一歩深く掘り下げる
・日時や場所の設定に、もっと柔軟性を持たせる
・自己満足になっていないかを冷静に振り返る
このように“失敗の中にあるヒント”に目を
向けると、不思議と気持ちも前向きになって
いきます。うまくいかないのは、自分がダメ
だからでも、相手が悪いからでもない。まだ
、噛み合う方法を見つけきれていないだけ。
そう思えた時、やる気と工夫の余地が
生まれるのです。
すべてが思い通りにいくことなんて、そう
ありません。
でも、「思い通りに行かなかった理由」と
向き合える人は、次こそチャンスを掴める。
ボタンの掛け違いに気づいたら、それは
“やり直せるサイン”です。
さあ、次はどのボタンからかけ直して
みましょうか?