ツケはいつか必ずやってくる

倫理の学び

昔の一杯飲み屋には、ちょっとした魔法の
言葉
があったという。
つけておいて

財布を出す手間も省き、ちょっと格好
良さげに一杯ひっかける。ツケは年末に
まとめて
、なんて風習もあったらしい。
けれど、聞くところによると、その年末が
地獄だったらしい。
「こんなに飲んでたっけ?」
出てきた請求書を前に、青くなる顔。
心当たりのない金額を前に、笑って
済ませられる人ばかりではない。

この話を聞いた時、ツケってなにも
酒場だけの話じゃないと。

めんどくさいこと。
気が進まないこと。
気まずいこと。
その場でやれば終わるとわかって
いても、「今じゃなくていいか」と、
そっと後ろに回す。その瞬間はラク
になる。けれど、それはまるで、
心に「ツケ帳」を作っているような
ものだ。

その時にちゃんとやっていれば。
わかっていたはずなのに、また繰り
返してしまう。それが人間という
ものなのだろうか。

年末のツケ払いに青ざめる酔客の姿は、
どこか自分のようでもある。
目の前の小さな“めんどくさい”を、
未来の自分に丸投げしていると、
ある日その“ツケ”が、何倍になって
戻ってくる。

だからこそ、今ここで、小さなことを
きちんと終わらせていく習慣
を持ちたい
と思う。
ひとつずつ、淡々と、未来の自分が
困らないように。

「つけておいて」が通じたあの時代
には戻れないけれど。
今日の自分の“ツケ帳”は空白のまま
終えたい!!

タイトルとURLをコピーしました