ある事象の特性を見るときに、そのデータ
を採取して、その平均とばらつきを調べる
ことが多い。
平均とは皆さんもご存じの通り、平らに
均(なら)した状態を示しているので、
採取したデータを合計して、そのデータの
数で割り求めたものが平均となります。
全データの中心に位置する値です。
一方ばらつきは意外と誤解されることが
多いのですが、データそのものがばら
ついた状態を指している訳ではありま
せん。個々のデータが平均からのどれ
くらいばらついているかを示す尺度と
なります。
ここで平均から各データの差(編差)を
合計してその平均を出せばばらつきが
計算できるのではと考えますが、実は
平均とは平らに均(なら)した状態なので
そこからの編差の合計を計算すると
0になってしまい平均を計算することが
出来ません。
そこで偏差を2乗することで、偏差の
プラス・マイナス成分を計算して、
その合計を計算して平均を取り、2乗
しているので、最後に平方根を取って
ばらつき(標準偏差)を求めます。
ここで数学に詳しい人は偏差の絶対値
を取って合計してその平均を取る方が
より正確な値になるのではと疑問を
持たれると思います。ただ統計学で
絶対値計算より2乗値計算の方が数学
的に扱いやすいため、2乗値計算を
採用しています。
よって統計学上、標準偏差は2乗和の
平均(これを分散と呼ぶ)の平方根を
取った値と定義されています。